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日本救急救命士の概要

昨今、世界各地で自然災害、紛争、テロが頻発しています。また、我が国の国防上の脅威、サイバー攻撃、中国・武漢からはじまったパンデミング「武漢肺炎」はなかなか終息の目途がつかず、先行きが不透明な状況にあります。我が国の救急隊員や救急救命士は、新型感染症という困難な事態に大和魂を震わせ『義勇精神』の下、この感染症に対して危険を顧みずに立ち向かい国民の生命を守ってきました。

救急救命士を取り巻く環境は日々めまぐるしく変動・変革を遂げています。このような状況下で私たちが取り組む必要のある救急救命士制度関連諸施策への課題は、日本の改革の遅さに輪をかけ社会的・組織的・人的弊害が複雑に絡み合い山積しています。

救急医療システムは国民ひとりひとりの問題であり、決して行政機関だけでの問題ではありません。“国民の生命を守る”という立場からすべての役員ならびに会員が自由にかつ責任ある議論を重ねながら誠意を尽くし一致結束し、救急救命士制度改革に向けて新しい時代を築いて行かねばなりません。令和3年に救急救命士法の改正が行われ、場の拡大がなされこれにより医療機関に所属する救急救命士が増えることが期待され、年々負担が増大されている救急医療の場においてさらなる活躍ができることになります。

令和7年(2025)には、団塊の世代が一斉に後期高齢者となり加齢に伴うがんや慢性疾患、老衰などで死に至る「2025年問題」が懸念されています。令和12年(2030)には約160万人、ピ―クは令和22年(2040)の約170万人に達することが予測され多死社会という我が国や世界がいまだ経験したことのない状況を迎えるにあたり、救急救命士の果たす役割も時代の要求や変遷と共に変化を遂げ、救急救命士の新たな役割が生まれくるでしょう。

なかでも米国で活用されている地域医療の新しいモデルであるCommunity Paramedic(以下「CP」という。)の導入も視野に入れて良いと考えます。CPとは、米国内の過疎地で医療資源が乏しく医療サ―ビスが行き届かない地域に住民に対して、公衆衛生やプライマリヘルスケアと予防サ―ビスを支援するパラメディックの拡大された役割です。CPは、在宅医療の推進するわが国にとって訪問看護ステ―ションに救急用自動車を配置し看護師と救急救命士によって訪問看護サービスを実施することによって、限りある人材資源を多職種連携でカバーしてそれらを有効活用することで効果的な医療介護サ―ビスを提供でるものと考えます。今後の生産年齢人口の急速な減少に対してこれらの方策についても議論していくことが重要でしょう。

いまや国家資格として国民にも社会的認知を得た現在、救急救命士に寄せられる社会的期待や責任はこれまでとは比較にならないほど大きく、私たちはこの負託に応える責務があります。

我が国において、医療機関、企業、教育機関など多岐にわたる職域で働くすべての救急救命士が本会に集い、社会の趨勢と期待に応えることのできるように働きやすい環境づくりや研修等の継続教育の支援などを行ってまいりたいと思います。医療専門職である救急救命士の皆さまは救急現場で患者のそばに寄り添い、そこにある問題に対して国民に代わり声をあげてください。職能団体である日本救急救命士協会が明るい未来の救急救命士制度の確立に向けて、皆さまと一歩一歩着実に歩みを進め、共に問題の解決を図り救急救命士の地位向上を目指してまいりたいと思います。

むすびに、明治大帝が明治23年10月30日にお示しになられた『教育勅語』の1節である①「一旦、緩急アレバ義勇公ニ奉シ」②「博愛衆ニ及ス」の2節を紹介いたします。いずれも救急救命士として必要な大切な心構えであると思います。
① 「一旦、緩急アレバ義勇公ニ奉シ」とは、「ひとたび國に重大事変が起これば、国民は正義と勇気を持って、国の利益のために喜んで働きましょう」という意味です。
② 「博愛衆ニ及ホシ」とは、「みんなに差別なく親切に優しく接しましょう」という意味です。
我が国の救急救命士が日々“大御心”にかなう奉仕者として救急・災害医療の場で多くの国民の生命を安全に救っていいただくことができますよう心よりお祈り申し上げます。

参考資料:『大切なこと』明治神宮崇敬会


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